日本透析医学会雑誌
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原著
ダルベポエチン アルファ(ネスプ®)週1回静脈内投与による腎性貧血への効果
―HD患者を対象としたrHuEPO製剤からの切替え投与成績―
黒田 泰二奥村 宜士竹岡 浩也西岡 敬祐大瀬戸 奨金光 律和福永 惠
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2008 年 41 巻 12 号 p. 843-849

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抄録

ダルベポエチン アルファは新世代のErythropoiesis Stimulating ProteinでrHuEPOと比較し,血中消失半減期が長い.今回,157例の血液透析患者に対しrHuEPOからダルベポエチン アルファに切替え週1回の静脈内投与を10週間施行し,その有効性および安全性を検討した.ダルベポエチン週1回投与量を10μg投与群(35例),15μg投与群(34例),20μg投与群(38例),30μg投与群(25例),40μg投与群(25例)の5群に区分した.10週投与後のHb濃度変化量は10μg投与群0.17±0.16(SD)g/dL,15μg投与群0.26±0.18g/dL,20μg投与群0.20±0.20g/dL,30μg投与群0.30±0.31g/dL,40μg投与群0.44±0.51g/dLと有意に上昇した(p<0.05).一方,10週投与後の血清鉄が上昇,フェリチンおよびTSATの減少が認められた.今後,ダルベポエチン投与に際し鉄剤投与も考慮すべきと考えられた.10週間ダルベポエチン アルファ投与中および投与後に目立った大きな副作用は認められなかったが,倦怠感1例およびのぼせ1例が認められた.以上,ダルベポエチン アルファは血液透析患者の腎性貧血に対し週1回の静脈内投与でHb濃度が有意に上昇し,かつ副作用の少ない有用性のある薬剤であることが示唆された.

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© 2008 一般社団法人 日本透析医学会
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