日本透析医学会雑誌
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症例報告
血液透析患者における造影剤フルオレセイン造影後の透析の意義
:1透析症例を通じて
河原 純子兵藤 透太田 昌邦平良 隆保日台 英雄石井 大輔吉田 一成馬場 志郎
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2011 年 44 巻 8 号 p. 695-698

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抄録

蛍光眼底造影剤は,眼科領域では網脈絡膜疾患の診断,治療効果の判定に不可欠な検査である.今回,糖尿病性腎症にて血液透析中の44歳女性に対し眼底出血の疑いのため蛍光造影剤(フルオレサイト®静注500mg,以下一般名フルオレセインと記す)を使用した.造影後に透析を行った際,透析液排液ラインに造影剤の蛍光色が視認できたため,独自に作製したカラースケールを用いて廃液ラインの排液色の変化による造影剤除去動態を1週間経過観察した.結果,カラースケール値では,1日目開始時90,1日目終了時50,3日目開始時20,3日目終了時10,5日目開始時0,5日目終了時0であったが,5日目終了時500mL程度排液を集めると,僅かに色を確認することができた.

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© 2011 一般社団法人 日本透析医学会
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