抄録
症例は63歳,男性.53歳時から糖尿病性腎症による慢性腎不全のため血液透析導入.2011年1月陰茎亀頭部痛を訴え,泌尿器科を受診した.診察上,亀頭部および環状溝付近に黒色壊疽をきたしており,2月初旬に壊死部に対してデブリードメントを行った.しかし黒色壊疽は拡大,発熱も伴ったため第8病日目に感染拡大防止目的のため陰茎部分切断術を行った.術後の創感染もなく2月末日退院となった.その後,4月頃から陰茎切断部に黒色壊死が再発し,創哆開をきたした.デブリードメント処置を行い保存的に経過観察中であったが透析困難症や全身状態が徐々に悪化し,5月中旬に自宅で死亡しているのが確認された.