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日本透析医学会雑誌
Vol. 46 (2013) No. 1 p. 119-124

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http://doi.org/10.4009/jsdt.46.119

原著

Epoetin beta pegolは4週に1回の投与で安定したヘモグロビン(Hb)を維持できるが,投与後2週目までHbが上昇し,その後4週目にかけて低下するという緩やかな月内変動を有する.従来より急激なHbの変動は心血管イベントのリスクファクターであるとされているため,epoetin beta pegol使用時のHbの月内変動を把握し,変動の大きい症例の特徴を理解する必要があると考える.当院でepoetin beta pegol使用中の55例を対象とし,epoetin beta pegol投与2週後のHbをピーク値,4週後のHbをトラフ値と定義した.また,ピークからトラフまでの差が0.7 g/dL以上の変動を2回以上認めた症例を高変動群,その他を低変動群と定義した.高変動群は16例,低変動群は39例であった.Hbは低変動群では良好に維持できたが,高変動群は低下傾向であった(低変動群Hb 11.43±1.90 g/dL,高変動群Hb 10.19±1.45 g/dL;p=0.002).高変動群は低変動群に比しTSATが有意に高かった(p=0.042).さらに低変動群の中のHb上昇群と高変動群との比較では,高変動群においてFe,TSATが有意に高く(Fe;p=0.025,TSAT;p=0.043),フェリチンが有意に低かった(p=0.009).以上より利用鉄は豊富だが,貯蔵鉄が低い症例においてHb月内変動が大きい傾向にあると考えられる.Epoetin beta pegol使用時には月内変動を抑えるためにフェリチンの低い症例では適切に鉄の補充を行う必要がある.

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