抄録
透析患者のバスキュラーアクセストラブルの遠隔診療を,地域基幹病院とサテライト透析施設間でSkypeビデオ通話技術を用いることで実施した.その結果,アクセストラブル発生時におけるインターベンションならびに手術の必要性の初期判断(トリアージ)に有効な情報をリアルタイムで確実に得ることができた.また,サテライト施設での経過観察と判断されたケースも,アクセス専門医から現地スタッフへの適切な指示により支障なく進められた.さらには,基幹病院での受け入れ体制は,アクセストラブル患者の事前情報の充実により,迅速かつ適切な対応が可能となった.本技術の普及は,アクセス専門医不在地域におけるアクセス治療の地域格差を是正しうることが期待される.