抄録
血液透析用カテーテル留置中に腰椎化膿性脊椎炎および腸腰筋膿瘍を合併した1例を経験したので報告する.患者は80歳代,男性.末期腎不全による尿毒症のため他院に入院し,右大腿静脈より非カフ型カテーテル挿入のうえ血液透析を導入された.カテーテル留置から24日目に黄疸が認められ,当院に転院した.精査によりEnterococcus faecalisによるカテーテル関連血流感染症(catheter-related blood stream infection:CRBSI)および転移性感染症としての腰椎化膿性脊椎炎,腸腰筋膿瘍と診断した.ビクシリン(ABPC)の経静脈的投与および持続血液透析濾過を継続したが,第9病日に敗血症性ショックのため死亡した.血液透析用カテーテル留置中の患者がCRBSIを合併した場合,早期診断,早期治療に努め,重篤な転移性感染症の合併を予防することが重要である.