日本透析医学会雑誌
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症例報告
経皮吸収型オピオイド鎮痛薬の中止によりレストレスレッグス症候群の著しい増悪をきたした血液透析患者の1例
中里 優一四宮 敏彦外山 聡彦倉根 理一下山 博身
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2014 年 47 巻 2 号 p. 145-149

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抄録

 透析患者ではレストレスレッグス症候群(RLS)の有病率が高く,またさまざまな原因による慢性疼痛に悩む者が多い.症例は16年の透析歴のある70歳代女性で,約2年前よりRLSに対してプラミペキソールを内服し,さらにその後悪化した腰痛に対してオピオイド鎮痛薬ブプレノルフィンのパッチ剤を7か月前より貼付していた.本人の希望によりブプレノルフィン貼付を中止したところRLS症状が進行性に増悪し,透析継続が困難となるほどまでとなった.貼付再開により症状は急速に改善し,症状悪化はブプレノルフィン中断による症状であったと考えられた.今後オピオイドからの離脱が困難となる可能性もあり,RLSを持つ透析患者の慢性疼痛に対しては慎重な治療薬選択が必要と考え,本症例を報告する.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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