日本透析医学会雑誌
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症例報告
血漿交換・ステロイド大量療法に治療抵抗性を示した血栓性血小板減少性紫斑病に対してリツキシマブとシクロホスファミドの併用が奏功した1例
海老澤 有紀大橋 梨佳高橋 寿弥三浦 隆彦滝沢 利一大林 由明
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2015 年 48 巻 10 号 p. 593-597

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抄録

症例は79歳, 男性. 201X年1月に発熱, 発疹を主訴に他院へ入院し, 中毒疹の診断でステロイド治療を開始し, 漸減して退院した. 同年4月に血小板減少を認めたため入院したが, 貧血と意識障害が出現したため, 血液疾患が疑われ当院へ転院した. 来院時血小板減少, 溶血性貧血, 動揺性精神障害を認めたことから血栓性血小板減少性紫斑病が疑われ, 血漿交換とステロイド大量療法を開始した. 後日抗ADAMTS13活性が測定感度以下であることから, TTPの診断に至った. 一旦治療は奏功したが, 再度血小板が著減したため, リツキシマブとシクロホスファミドを併用した. 血小板は再度上昇を認めたため血漿交換から離脱し, ステロイド内服の継続にて退院した. 今回TTPに対して血漿交換・ステロイド大量療法を行ったところ治療抵抗性を示し, リツキシマブとシクロホスファミドの併用にて治療効果を示した1例を経験したので報告する.

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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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