日本透析医学会雑誌
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症例報告
血液透析導入後にWernicke脳症をきたした慢性アルコール中毒の1例
中村 俊文竜崎 崇和宍戸 崇滝本 千恵小林 絵美二木 功治半田 みち子伊藤 裕
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2015 年 48 巻 4 号 p. 243-248

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抄録
2010年に血液透析を導入された40年来の慢性アルコール中毒の67歳, 男性. 2011年3月より食欲低下があり, 4月に30mg/dLの低血糖とpH 7.19のアシデミアを認め, 救急搬送された. Anion-Gap (AG) 23.9のAG開大性代謝性アシドーシスを認め, 見当識障害・運動失調も伴い, ビタミンB1欠乏によるWernicke脳症 (WE) が考えられ, ビタミン補充により改善した. 入院時ビタミンB1値は13ng/mLと低値であった. 当院の食欲良好な維持透析患者20人のビタミンB1値は, 透析前30.4±6.7, 透析後30.2±7.2ng/mLと有意差を認めなかった一方で, 透析下のWEは複数報告され, 透析によるビタミンB1喪失が指摘されている. 食欲低下のみられる透析患者の代謝性アシドーシスでは, ビタミンB1欠乏を積極的に考慮すべきである.
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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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