日本透析医学会雑誌
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症例報告
大腸疾患診断用カプセル内視鏡により小腸多発性血管異形成を診断し得た血液透析患者の1例
内山 清貴徳山 博文北濱 利奈安田 格長谷川 一宏細江 直樹林 松彦脇野 修伊藤 裕
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2016 年 49 巻 10 号 p. 683-688

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抄録

症例は71歳男性. 糖尿病性腎症により, 2009年に血液透析を導入された. 2015年末に心窩部不快感および高度貧血が出現したことから消化管出血を疑い, 造影CT, 上部・下部消化管内視鏡を行ったが, 明らかな出血源を認めなかった. なお, 結腸は肝彎曲までの観察に留まった. その後貧血は改善傾向であったが, 4か月後に再び高度貧血を認めた. 造影CTや消化管出血シンチにてやはり出血源を認めず, 観察不十分であった肝彎曲より口側の結腸観察目的で大腸疾患診断用カプセル内視鏡を行ったところ, 空腸および回腸にわたり多発する血管異形成を認め, 出血源として疑われた. しかし活動性出血はなく, またすべての処置は困難と考えられたため, 保存的治療を行い貧血は改善傾向であった. 本症例は血液透析患者において, 大腸疾患診断用カプセル内視鏡が小腸に多発する血管異形成の診断に寄与した示唆に富む症例であり, ここに報告する.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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