日本透析医学会雑誌
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症例報告
顕微鏡的多発血管炎による急速進行型腎炎症候群の加療中に発症した非外傷性腹直筋血腫の1例
出口 央晋中原 舞尾田 佑美南 真人猪俣 美穂古城 卓真村岡 良朗阿部 正治小山田 美紀吉嶺 陽造徳永 公紀井戸 章雄
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2016 年 49 巻 3 号 p. 241-246

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抄録
症例は70歳女性. 全身倦怠感を主訴に受診したところ, 高カリウム血症, 高度貧血と急速進行性糸球体腎炎を認めた. 直ちに輸血および血液透析を開始, 肺炎および肺胞出血もありMPO-ANCAが著明高値であったことから顕微鏡的多発血管炎としてステロイドパルス療法による加療を行った. 後療法としてプレドニゾロン40mg/日を投与するも腎機能の改善はみられず, 週3回の血液透析を継続した. ヘパリンによる抗凝固療法も併用し, 適正にコントロールを行った. 第22病日に右下腹部に急激な腹痛が出現, 翌日には鶏卵大の腫瘤が触知され, 腹部単純CTにて腹直筋血腫の診断に至った. 第24病日に急激な貧血の進行を認めたことから腹部造影CTを施行し, 血腫評価および出血部位の同定を試みたが, 血腫の増大もなく出血も明らかでなかったため保存的に加療を行った. 複数の危険因子を有する症例で, 突然の強い腹痛は本症を念頭におくことが重要である.
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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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