日本透析医学会雑誌
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症例報告
維持血液透析患者に対して経皮的椎体形成術を施行した4症例についての検討
長谷川 頌吉田 悠勝木 俊多田 真奈美田嶋 強日ノ下 文彦
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2016 年 49 巻 6 号 p. 407-412

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抄録

経皮的椎体形成術 (PVP) は有痛性未治癒胸腰椎圧迫骨折における短期的な除痛効果が報告されているが, 維持血液透析患者での報告は少ない. 今回, 維持透析患者の圧迫骨折に対してPVPを施行した4症例の患者背景・除痛効果・合併症について検討した. いずれの症例もPVPに直接関連した大きな合併症はなく, 施行後に著明な疼痛改善を認め, 離床時期も早かった. 1症例ではPVP施行後に2回の圧迫骨折再発を呈し, 計3回のPVPを施行したが, いずれも除痛効果は高く, 結果としてADL低下を防ぐことができた. PVPは維持透析患者に対しても安全で有効な治療手段と考えられるが, 圧迫骨折を繰り返す症例も多いことが示唆され, どの症例にPVPを行うべきかについては今後さらに症例を積み重ねて検討していく必要がある.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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