日本透析医学会雑誌
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原著
リン吸着薬に医薬品添加剤として含まれるマグネシウムが透析患者の血清マグネシウム値に影響する可能性
永野 伸郎伊藤 恭子本多 雅代須永 悟田ヶ原 綾香野原 ともい野原 惇星 綾子溜井 紀子安藤 哲郎筒井 貴朗新田 孝作佐倉 宏小川 哲也
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2016 年 49 巻 9 号 p. 571-580

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抄録

【目的】透析患者に処方される経口薬剤錠数に占めるリン吸着薬の割合を把握し, 錠剤に含まれるマグネシウム (Mg) の影響を検討する. 【方法】血液透析患者520名に処方中の経口薬剤を薬効別に分類後, 総処方錠数に占める割合を算出した. また, 血清Mg値をリン吸着薬の処方有無別, 錠数別に解析するとともに, リン吸着薬のMg含量をICP-MSにより実測した. 【結果】1日に17.8錠/人の経口薬剤が処方されており, このうちリン吸着薬の割合は35% (6.2錠) であった. リン吸着薬処方患者の血清Mg値は非処方患者よりも高値であった. 処方錠数が最多である沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」の単剤処方患者169名において, 血清Mg値は処方錠数と正相関し, 処方錠数五分位は独立した有意な説明変数であった. また, 本剤のMg含量は1.8mg/gであり, 他剤よりも高値であった. 【結語】リン吸着薬は服用錠数が多いため, 一部の製剤に含まれるMgが血清Mg値に影響する可能性が示された.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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