日本透析医学会雑誌
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症例報告
透析導入後に関節リウマチを発症しアバタセプトが有効であった維持透析患者の1例
河野 郁枝清水 英樹要 伸也軽部 美穂高昌 京齋藤 督芸中島 瑛里子片岡 郁穂前園 知宏塚田 弘之内田 裕子片岡 肇一駒形 嘉紀有村 義宏
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2016 年 49 巻 9 号 p. 593-597

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抄録

症例は67歳女性. 慢性糸球体腎炎による慢性腎不全に対し7年前から維持透析を施行中であった. 4年前に両側の手指・手関節, 肩関節および両膝の腫脹と疼痛が出現し, 画像所見・検査所見より他院で関節リウマチと診断されていた. プレドニゾロン12.5mgに加え, 疾患修飾性抗リウマチ薬としてサラゾスルファピリジンとレフルノミド, さらに生物学的製剤のエタネルセプトが投与されたが効果は不十分であった. 3年前に当院を紹介されアバタセプトを開始したところ, その後は徐々に関節症状と検査所見は改善し機能面も改善した. 維持透析患者の関節リウマチに対する生物学的製剤の報告例は少ないが, アバタセプトは有力な治療の選択肢になると考えられ報告する.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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