日本透析医学会雑誌
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症例報告
G群β溶血性レンサ球菌による内因性細菌性眼内炎の血液透析患者
笹本 洋子松村 正小林 由佳内古閑 修長澤 利彦十川 裕史佐々木 環
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2016 年 49 巻 9 号 p. 599-604

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抄録

7X歳女性, 血液透析 (HD) 歴1年. 透析当日, 来院時から全身倦怠感と発熱 (37.5°C) を認め入院となった. 血液培養検査でG群β溶血性レンサ球菌を検出した. 一時40°C近い発熱と敗血症様の症状を呈し全身状態が悪化したが, 抗菌薬の点滴により全身症状は速やかに改善した. しかし同時に両眼の視力低下を認め, 敗血症による両眼の内因性細菌性眼内炎と診断された. 内因性細菌性眼内炎は, 視力予後不良な疾患として知られているが, 幸いにも速やかな診断の上で抗菌薬の全身投与と抗菌薬の頻回点眼により最終的には視力回復を得た. 今回, われわれは早期の診断と適切な抗菌薬の全身投与によりG群β溶血性レンサ球菌 (GGS) の敗血症から発症した内因性眼内炎から視力回復した症例を経験した.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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