日本透析医学会雑誌
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症例報告
重症骨折急性期の血液透析返血時にカイロミクロン凝集により透析回路内白濁をきたした1例
内田 隆行安藤 勝信早坂 秀幸小藤 誠也宮澤 晴久伊藤 聖学植田 裕一郎星野 太郎大河原 晋百瀬 直樹森下 義幸
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2017 年 50 巻 10 号 p. 629-633

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抄録

症例は76歳男性の維持血液透析患者で, 右大腿骨頸部骨折で当センターに入院となり右大腿骨人工骨頭置換術を受けた. 術前後のセルローストリアセテート (CTA) 膜ダイアライザーを用いた血液透析返血時に生理食塩水がダイアライザーを通過した直後から静脈側透析回路および静脈側チャンバーにカイロミクロン凝集による回路内白濁を認めた. 本症例の静脈側透析回路内カイロミクロン凝集の機序として骨折に伴う高炎症状態によるカイロミクロン凝集亢進およびダイアライザーによるカイロミクロン吸着が関与していた可能性が示唆された. 重症骨折合併急性期の血液透析施行に際しては返血時にカイロミクロン凝集による透析回路内白濁に注意する必要がある.

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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