日本透析医学会雑誌
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原著
透析前5分間のバランスマット運動の有用性
櫻井 真由美大野 良晃槇野 亮次郎杉田 省三井上 圭右吉本 充稲葉 雅章
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2017 年 50 巻 7 号 p. 457-463

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抄録

透析患者においては歩行速度の低下が予後の悪化や入院のリスクとなることが報告されている. このため当院で患者の歩行速度を改善させるために透析前5分間のバランスマット上の運動を2か月間施行したところ, コントロール群12名は歩行速度に変化がなかったのに対し運動群13名は0.81±0.19m/sから1.05±0.20m/sと有意に改善した (p=0.043). 歩行速度と骨格筋指数 (SMI), 握力, 開眼片足立位時間, 5回立ち上がり所要時間とは単相関を示した. 重回帰分析では5回立ち上がり所要時間のみが歩行速度に対して有意な因子であった (p=0.002). 運動群では介入後2か月の歩行速度と片足立位時間, 5回立ち上がり時間はそれぞれ相関を示したが重回帰分析では5回立ち上がり時間のみが有意であった (p=0.003). バランスマット上の運動で歩行速度が改善し, 最も寄与した因子は下肢筋力の向上である可能性が示唆された.

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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