2017 年 50 巻 9 号 p. 541-545
【目的】CGM (continuous glucose monitoring) を用いて血液透析患者の血糖指標を測定し, 従来の血糖管理指標と比較検討した. 【方法】入院維持血液透析患者16名にCGMを施行し, 血糖指標である平均血糖値, 血糖のばらつき (標準偏差, FL), 180mg/dL以上の高血糖面積 (AUCG>180) と, GA (グリコアルブミン), HbA1c, 透析前血糖値との関連性を検討した. 【結果】平均血糖値はGAおよび透析前血糖値と有意な正相関を認めた (p<0.01). FLは透析日で透析前血糖値と有意な正の相関を (p=0.022), 非透析日でGA (p<0.01) および透析前血糖値 (p=0.021) と有意な正相関を認めた. AUCG>180はGAおよび透析前血糖値と有意な正相関を認めた (p<0.01). 平均血糖値, FL, AUCG>180とHbA1cとはいずれも相関を認めなかった. 透析前血糖値はGAと強い相関を示したがHbA1cとは有意な相関は認めなかった. 【結語】GAと透析前血糖値は, 平均血糖値・血糖変動・高血糖と密接な関連を示し, 透析患者の血糖管理指標として有用である.