日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析導入期の潜在性結核に関する検討
木村 眞規子渭原 克仁井上 佑一大橋 敦希飯田 禎人田中 仁美渋谷 泰寛井下 聖司
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2018 年 51 巻 10 号 p. 599-605

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抄録

潜在性結核感染症 (LTBI) 治療指針では透析患者に対してLTBIの診断と治療を推奨している. しかし, 透析患者に対してLTBIスクリーニングは, 広く行われているとはいい難い. 本邦における透析導入期のLTBIに関する報告は少ない. そこで, 血液透析導入期にLTBIスクリーニングを行い, LTBI罹患率や患者集団の特徴を検討した. 151名の血液透析導入患者に対し, インターフェロンγ遊離試験を用いてLTBIのスクリーニングを行った. LTBIと診断したものは27名で罹患率17.9%であった. LTBIでは喫煙者が有意に多かったが, 他の患者背景や血液検査データにおいてLTBIに特徴的な所見は認められなかった. 血液透析導入期のLTBI罹患率は高く, 透析導入期にLTBIスクリーニング検査を行うことは重要であると考えられる.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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