日本透析医学会雑誌
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原著
透析患者の血清亜鉛濃度分布の実態―低亜鉛血症と関連する因子―
永野 伸郎伊藤 恭子大石 裕子南 政美林 秀輝角田 千恵中島 春乃須永 悟野原 ともい大高 行博星 綾子溜井 紀子野原 惇安藤 哲郎小川 哲也新田 孝作筒井 貴朗
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2018 年 51 巻 6 号 p. 369-377

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抄録

【目的】透析患者の血清亜鉛濃度分布の実態を把握し, 低亜鉛血症関連因子を探索する. 【方法】血液透析患者518人の血清亜鉛値を測定し, 患者背景, 定期採血結果, 薬剤処方との関連を解析した. 亜鉛欠乏症の診断基準である血清亜鉛値60μg/dL未満/以上の2群間で比較した. 【結果】血清亜鉛値は59 (52-67) μg/dLであり, 年齢, 性別, BMI, 糖尿病, 透析時間帯と関連せず, 透析歴と負の単相関を示し, かつHDF患者で低値であった. 重回帰分析の結果, 透析歴, Cr, Na, TG, Alb, ALP, Htが有意な変数であった. また, 血清亜鉛値が60μg/dL未満の患者割合は51.0%であり, 2項ロジスティック回帰分析の結果, HDF療法, P, Alb, ALPが有意な変数であった. 一方, 血清亜鉛値と, ESA処方量, ESA抵抗性指数, 他の薬剤処方との関連は認められなかった. 【結語】約半数の透析患者の血清亜鉛値が60μg/dL未満であり, 透析歴, HDF療法, PやAlbなどの栄養状態が関連する.

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© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
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