日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
原著
血液透析用アクセスとしてのカフ型カテーテルの評価
内野 敬中井 宏昌佐々木 司東 仲宣
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 52 巻 1 号 p. 15-21

詳細
抄録

当院で挿入したカフ型カテーテル (カテーテル) につき検討した. 対象は2000年6月から2012年12月までの235例 (275件) であった. カテーテル出口部は消毒し, 入浴時に濡れないようにフィルム材で保護した. 血栓に対してウロキナーゼを使用した. カテーテルの適応はシャント造設困難59.6%, 心不全11.3%, ブリッジ5.1%, その他24.0%であった. 感染率は出口部・トンネル感染と血流感染でそれぞれ1,000カテーテル日当たり0.27と0.18であった. カテーテル関連敗血症により4例が死亡した. 患者生存率は6か月と1年で67.0%と48.2%であった. カテーテル抜去件数は275件中63件であった. カテーテル開存率は1年で76.1%であった. 当院の管理法では血流感染率や出口部・トンネル感染率は低値であった. カテーテルは適切な管理を行えば他のアクセス作製困難な高齢者に有用なアクセス方法と考えられた.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top