日本透析医学会雑誌
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Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
原著
血液透析患者へのフラッシュグルコースモニタリングシステム (FGM) の使用経験
小田口 尚幸島尻 艶子玉城 文子稲嶺 未来野小生 裕子砂川 はるな與那嶺 怜奈山田 伊織上里 まどか兼城 真理子金城 一志
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2019 年 52 巻 5 号 p. 253-260

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抄録

【目的】糖尿病透析患者に対して持続グルコースモニタリングを行い, 血糖値やQOL (quality of life) の変化, 合併症の有無, SMBG (self-monitoring of blood glucose) との相関性について調査検討する. 【方法】FGM (flash glucose monitoring) を2か月の予定で行い持続グルコースモニタリングを行った. SMBGを併用し前後での測定回数, 血糖値, HbA1c, GA (glycated albumin), またDTR-QOL (Diabetes Therapy-Related QOL) による評価, 合併症, SMBGとの相関性について調査した. 【結果】対象は7名で年齢62.4±6.0歳, 装着期間53.0±5.2日であった. 前後でSMBGの血糖値, HbA1c, DTR-QOLのスコア, SMBGの回数は変化なかったがGAは減少傾向であった. SMBGとFGMの比較ではFGMが28.5mg/dL低かった (−13.4%, 212.4±96.9mg/dL vs. 183.9±83.1mg/dL, p<0.0001). SMBGとFGMの間には強い正の相関を認めたが (相関係数; r=0.91, p<0.0001), SMBGの血糖値が低い場合相関性が低かった. 合併症は局所反応のみであった. 【結語】FGMは糖尿病透析患者に重篤な合併なく使用でき, SMBGと相関性があった.

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© 2019 一般社団法人 日本透析医学会
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