日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症に対するシナカルセト塩酸塩からエテルカルセチドへの切り替えの検討
池田 直史元 志宏野邊 香奈子岡島 真里金井 弘次塚田 美保小川 晃生野平 由香
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2019 年 52 巻 5 号 p. 261-269

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抄録

新たなcalcimimeticsであるエテルカルセチドの臨床的特徴を検討した. 維持透析患者でガイドライン上適応となる50症例につきエテルカルセチド投与開始前24週と開始後24週につき比較検討した. 加えてシナカルセト塩酸塩からの切り替え群を用量別で検討した. 全症例では血清補正Ca値, i-PTH値, TRACP-5b値は投与開始前に比し開始後で有意に低下していた. シナカルセト塩酸塩からの切り替えでは低用量群では血清補正Ca値, i-PTH値, TRACP-5b値は投与開始前に比し開始後は有意に低下していた. 一方, 高用量群ではすべてにおいて有意差を認めなかった. 高用量からの切り替えでは初期量では用量変更可能時に増量が必要になる可能性が高いと考えられた. エテルカルセチドの有効性と, シナカルセトとの臨床的力価の比較を示すことができた.

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© 2019 一般社団法人 日本透析医学会
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