日本透析医学会雑誌
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原著
バスキュラーアクセス超音波検査における狭窄病変の評価に関する検討
山本 裕也大川 博永西川 博幸森尾 誠人府川 都貴子大川 弘美増田 尚毅松井 淳
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2020 年 53 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

【背景・目的】バスキュラーアクセスの超音波検査において, 狭窄の評価は長軸断面で内径を計測する方法 (狭窄径) が一般的だが, 短軸断面の内腔が正円でない場合は正確な評価が困難である. 今回, 狭窄の評価に関して検討した. 【方法】自己血管内シャントを有する患者83名 (延べ129病変) を対象とした. 長軸断面にて狭窄径, 短軸断面にて長径と短径および断面積を計測した. 狭窄径と断面積の脱血不良に対する診断能力をROC分析にて比較した. 狭窄形態を5群に分類し, 狭窄径と断面積の相関を検討した. 【結果】ROC分析において狭窄径と断面積に差がなかった. 瘤前後型以外は狭窄径と断面積の相関は良好であったが, 瘤前後型は相関がなかった. 【結語】瘤前後型以外は狭窄径による評価が有用な評価法である. 瘤前後型の評価は, 短軸断面の断面積により可能である.

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© 2020 一般社団法人 日本透析医学会
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