日本透析医学会雑誌
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透析看護
HIV感染透析患者受け入れのための当院での取り組み
鈴木 裕子斉藤 泰信松倉 泰世桑原 道雄
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2020 年 53 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

HIV感染者の生命予後は治療法の進歩により著しく改善した一方で, 高齢化や合併症の増加で透析導入が必要となるHIV感染者が増加している. このため透析専門クリニックでのHIV感染透析患者の受け入れ体制の拡大が急務とされているが, 現状では受け入れに消極的な透析施設が多い. その大きな要因として, HIV感染症に対する知識不足による漠然とした不安があげられる. 当院では受け入れ要請を想定した受け入れ対策チームを立ち上げ, 職員に対する積極的な勉強会を7回実施した後に患者を受け入れた. 受け入れ前 (勉強会前) 調査では, 「HIV感染透析患者と接することに不安を感じる」 の回答が85.2%と高率であったが, 受け入れ後では48.1%に減少した. また, 「受け入れるべきではない」 の回答も25.9%から7.4%へ減少した. 職員に対するHIV感染症に対する正しい知識の啓発教育は, 透析専門クリニックにおける患者の受け入れを拡大するための重要な手段の一つと考えられた.

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© 2020 一般社団法人 日本透析医学会
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