2020 年 53 巻 10 号 p. 505-511
【背景】透析患者のデバイス植え込みは, シャント側の植え込みは禁忌とされ, 反対側が選択される. また, デバイス感染が生じた場合にはシステム全抜去のうえ, 反対側からの再植え込みが推奨されている. しかし, シャント反対側のデバイス感染に対する再植え込み部位に関しては不詳である. 【症例】72歳, 男性. 左シャントの透析患者男性で, 右前胸部にペースメーカー植え込み後, 消化管感染より敗血症となり, デバイス感染を併発した. 【経過】システム全抜去後, 感染部と同側の, 右腋窩静脈直接穿刺による右腋窩部ポケットへの本体留置を行った. 【結果】透析患者のデバイス感染症例で, 対側肢シャントを温存し新規ペースメーカーを植え込む方法として, 感染部ポケットより距離を置き, かつリード線の走行が抜去したリード線走行部と重複しない方法として, 腋窩静脈直接穿刺による腋窩部ポケットでの本体留置法が有用と考えられた1例を報告する.