2020 年 53 巻 10 号 p. 519-523
症例は機能的片腎ならびに水腎症に伴う腎不全にて維持透析導入となった30代前半の女性で, 透析導入後2か月目に妊娠が判明した. すでに第1子もあり妊娠継続の断念を主治医が促したが, 妊娠継続意志が固いとの産婦人科判断から妊娠継続となった. 妊娠が確認された妊娠10週より, 週3回4時間の血液透析から週3回4時間のオンライン前希釈血液透析濾過 (oHDF), 妊娠12週より週5回4.5時間のoHDFに変更するなど臨床工学技士が日々の体調・状況変化を透析条件に反映し, 院内で定めた管理基準に従い妊娠管理を行った. 経過中に羊水過多などの異常も認めず, 従来よりも長い妊娠30週まで外来にて透析管理を行った. 妊娠30週から入院管理となり, 妊娠37週0日に腰椎麻酔下帝王切開術にて女児を出産し, 退院後も児は現在まで良好な発育を示している. われわれは妊娠30週まで外来透析維持管理した透析患者の妊娠管理を経験したので報告する.