日本透析医学会雑誌
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原著
透析症例における心臓手術の周術期管理
中井 健太郎山本 修太郎友岡 知加井上 めぐみ古原 千明宿理 朋哉髙江 啓太谷口 拓也池田 綾小江 雅弘満生 浩司
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2020 年 53 巻 2 号 p. 61-69

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抄録

透析患者の心臓手術においてガイドラインに即した周術期プロトコールを作成し, 多職種が連携して管理を行ってきた. 当院における周術期合併症を調査することによりプロトコールの検証を行った. 2016年から2018年に心臓手術を行った症例のうち大血管の同時手術を除く128例を対象として, 維持透析29例 (透析群) と, 非透析群99例を比較検討した. 心臓手術の内訳は, 大動脈弁置換術および冠動脈バイパス術が最も多く, 両群間で差を認めなかった. 入院中死亡は透析群で2例 (7%), 非透析群で3例 (3%) であり有意差を認めなかった. 術後在院日数は透析群で有意に長く (30.7日 vs. 23.3日), 予定外の体外循環を要した割合は透析群で有意に高率であった (17% vs. 1%). ただし, CABG単独においては, 術後在院日数, 予定外の体外循環は両群間で同等であった. 特に弁膜症手術に際しては, 予定外の体外循環を減らし入院期間を短縮するため, さらなる検討を行っていきたい.

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© 2020 一般社団法人 日本透析医学会
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