血液透析カテーテル留置は重篤な合併症リスクの高い医療行為であることが報告されていることから, より安全な超音波ガイド下手技が求められている. 本研究では穿刺針先端の短軸像超音波視認性に影響を及ぼす因子についてシミュレーターを用いて検証した. 同ゲージのベベル角12°とベベル角18°の金属針とでは針先輝度に有意な差はなく, いずれにおいても送信周波数8MHzのほうが13MHzより有意に針先輝度が高かった. 同ベベル角の20ゲージ針と23ゲージ針とでは針先輝度に有意な差はなく, いずれにおいても送信周波数8MHzのほうが13MHzより有意に針先輝度が高かった. ベベルの向きによる検討ではベベル面がプローブに正対した場合に比べてベベル面を45°, 90°回転させると針先輝度が有意に低下した. 以上から, 10MHz以下の低めの送信周波数の使用, および穿刺針のベベルをプローブに正対させる手技により, 短軸法超音波ガイド下中心静脈穿刺時の針先視認性を向上させうる可能性が示された.