2020 年 53 巻 6 号 p. 333-337
症例は78歳男性. 腎硬化症にて当科通院していたが, 血液透析導入前から胃・十二指腸の血管異形成による消化管出血を繰り返していた. 血液透析導入後も胃・十二指腸からの消化管出血を認め, argon plasma coagulation (APC) 焼灼や輸血で対応していた. 貧血の進行が高度であり大腸内視鏡検査を施行したが大腸には血管異形成を認めなかった. 小腸カプセル内視鏡を施行したところ, 上部空腸に活動性出血を伴う血管異形成を認めた. レバミピド内服による保存的加療を開始し, その後は止血術や輸血を要することなく経過している.