当センター開設以降腹膜透析 (PD) を導入した70名について年齢, 原疾患および転帰の年代別評価を行った. 先天性腎尿路異常が38.6%で最多であったが, Denys-Drash症候群 (12.9%), 先天性ネフローゼ症候群 (10.0%), 若年性ネフロン癆 (5.7%), 多発性囊胞腎 (5.7%) と続いた. 巣状分節性糸球体硬化症 (FSGS) は1名 (1.4%) のみであった. Denys-Drash症候群, 先天性ネフローゼ症候群, および若年性ネフロン癆が増加傾向であった. 導入時年齢は, 0歳が41.4%を占めていたが, 2008年以降では0歳が過半数 (54.2%) であった. 転帰は, 34.3%が腎移植, 31.4%がPDを継続しており, 9名 (12.9%) が死亡していた. 乳幼児の増加は, 先行的腎移植の増加による年長児導入の減少や, Denys-Drash症候群や先天性ネフローゼ症候群の増加が関連している. 一方, FSGSは小児のESKDの原因として減少している可能性が示唆された. 本結果は施設バイアスの影響が否定できず, 全国のレジストリー研究が必要である.