日本透析医学会雑誌
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原著
長期療養入院血液透析患者の難治性便秘症に対する上皮機能変容薬の有用性について
神田 怜生瓜田 温子関 卓人関内 真紀穂久寶 彩乃富野 康日己
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2021 年 54 巻 2 号 p. 61-68

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抄録

【目的】長期療養入院血液透析患者の難治性便秘症に対する上皮機能変容薬(ルビプロストン,リナクロチド)の有用性を検討した.【対象・方法】刺激性下剤で改善を認めない便秘症患者25名に対し上皮機能変容薬に変更後1か月間投与し,その有用性を検討した.【結果】ルビプロストン投与期では,Constipation Scoring Systemは投与前後で有意な変化はみられなかったが,非糖尿病性腎臓病群ではs‒Crは開始時6.3±2.45 mg/dL,1か月後は5.9±2.2 mg/dL,IPは開始時4.5±1.4 mg/dLであったが,1か月後は3.8±1.0 mg/dLと有意な改善を認めた.リナクロチド投与非糖尿病性腎臓病群では,Constipation Scoring Systemは開始時6.4±6.0点であったが,1か月後は4.7±5.3点と有意な改善が認められた.【結語】上皮機能変容薬は長期療養入院血液透析患者の非糖尿病性腎臓病群において有用性のある下剤と思われる.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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