日本透析医学会雑誌
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原著
ワルファリン(WF)服用血液透析患者の血中低カルボキシル化オステオカルシン(uc‒OC)濃度の検討
松倉 泰世栗原 怜東 弥生櫻井 祐成大薗 英一
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2021 年 54 巻 5 号 p. 203-210

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抄録

【目的】ワルファリン(WF)はビタミン(V)Kを阻害しオステオカルシン(OC)のカルボキシル化を抑制する.今回,血液透析(HD)患者のWF服用がOCのカルボキシル化に及ぼす影響を検討した.【対象と方法】WF服用(WF+)のHD患者11名と保存期患者13名,非服用(WF-)のHD患者13名と保存期患者13名,および直接経口抗凝固薬服用(DOAC+)の保存期患者7名,健常人7名の血中OC,低カルボキシル化OC(uc‒OC)を測定した.【結果】HDおよび保存期患者のuc‒OC/OC比はWF+患者でそれぞれ0.648,0.620とWF‒患者のそれぞれ0.224,0.320に対し有意(p<0.0001)に高値であった.一方,WF‒のHD患者と保存期患者およびDOAC+患者では健常人と差がなかった.【結語】HD,保存期患者へのWF投与はuc‒OCの割合を増加させ骨代謝に悪影響を及ぼす可能性がある.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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