日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の下肢末梢動脈疾患における無侵襲検査法と臨床症状の関連性
神野 卓也澁谷 真弓西川 繁森本 麗子櫻井 円西口 和美鶴崎 清之岸本 武利
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キーワード: 血液透析, PAD, SPP, ABI
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2021 年 54 巻 5 号 p. 211-217

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抄録

外来血液透析患者112名224肢の下肢末梢動脈疾患に対するスクリーニング検査として,SPPとABIの検査精度を検討した.下肢血管造影検査と下肢血管動脈エコーから63肢がPADと診断された.足底部,足背部,第1趾のSPPとABIの検査精度をROC分析により算出した.各部位のカットオフ値は足底部62 mmHg,足背部51 mmHg,第1趾40 mmHg,ABI値は0.92であった.SPPでは第1趾が足底部に比し,PADに対する検査精度が優れABIの検査精度は第1趾と同等であった.PAD 63肢において,算出されたカットオフ値①SPP第1趾40 mmHg未満,②ABI値0.92未満を基準とし,4つのカテゴリーに分類した.基準より①②とも下回る場合が39例,①もしくは②で下回る場合が22例,①②とも上回る場合が2例であった.透析患者のPADのスクリーニング検査はSPPとABIを併用することが推奨される.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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