2024 年 57 巻 1 号 p. 37-42
安全に腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)カテーテルを骨盤腔内に留置できるようにするため,軟性膀胱鏡を用いたPDカテーテル挿入術を施行したので,その方法と合併症・短期成績について報告する.本法は従来のPDカテーテル挿入術の皮膚切開に切開創を追加することなく腹膜切開創より軟性膀胱鏡を挿入する方法で,2015年12月から2017年12月までの間に術者判断により6例に施行した.全例特記すべき有害事象なく,同時期に実施した従来法10例と比較し,患者背景および周術期の手術時間や出血量および合併症などに有意差はないものの,PD継続率は有意に延長していた(p=0.019).今回の症例検討により軟性膀胱鏡を用いたPDカテーテル挿入法は気腹の必要がなく比較的安全かつ確実にカテーテルを留置できる可能性が示された.