日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の透析施設への通院手段と身体活動量の関連:REPnet-HD study
篠崎 信人臼井 直人小野﨑 彰阿部 義史岡村 大介小島 将佐藤 陽一白井 信行三上 健太長島 瑞希山田 洋二河西 利昌齊藤 正和
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2024 年 57 巻 7 号 p. 285-292

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抄録

血液透析(HD)患者の通院手段と身体活動量(PA)との関連を検討した.8施設401例のHD患者を,通院手段により徒歩(公共交通機関含)群,自家用車群,送迎群の3群に分類した.PAは国際PA調査票(IPAQ Short Version)で評価し,低身体活動(Low)に該当する場合をPA低下と定義した.PA低下と通院手段の関連を全対象および年代別に解析した.身体機能を含む共変量で調整後も,徒歩群に比べて自家用車群,送迎群はPA低下と関連を示した(p<0.05).年代別では,壮年者(65歳未満)は自家用車群(p=0.04),前期高齢者(65~74歳)は送迎群(p<0.001)が,徒歩群と比較してPA低下と関連を示した.一方で後期高齢者(75歳以上)は,通院手段とPA低下の間に関連はなかった.壮年~前期高齢HD患者では,透析施設への通院手段が,身体機能から独立してPA低下の一因であることが示された.

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