2024 年 57 巻 7 号 p. 293-301
腹膜透析(PD)は患者教育が重要であり,指導には専門的知識の習得が求められる.PD導入時,病棟看護師のPD経験値はさまざまで指導の均一性が保たれていない現状があった.患者指導を適切なレベルに保つため,若手病棟スタッフへの教育方法の確立が重要と考えた.スタッフがPDの基礎知識・手技を定着することを目指し,『PD指導評価表』を用い,実際に行った患者指導を振り返ることを目的とし『リフレクションシート』を用いた.『PD指導評価表』のみでは,患者の個別性が反映されない知識の確認のみに陥る傾向があるが,『リフレクションシート』を併用することで,患者の個別性を反映した指導の重要性を学ぶことができると考える.PD導入期指導における若手スタッフ教育において,本『PD指導評価表』と『リフレクションシート』を用いた教育は効率的かつ有効な一指導法と考える.今後,この教育方法による患者指導の質向上への寄与を把握したい.