2025 年 58 巻 11 号 p. 511-516
57歳男性,肥満関連腎症による末期腎不全のため腹膜透析中,カテーテル出口部の浸出液・腹痛・排液混濁・除水量低下のため受診した.Staphylococcus aureus によるカテーテル出口部感染とSphingomonas paucimobilis による腹膜透析関連腹膜炎と診断した.出口部感染に対してセファゾリン腹腔投与に続きセファレキシン内服を合計11日間行い治癒した.腹膜透析関連腹膜炎に対してセフタジジム・ゲンタマイシン腹腔内投与を3週間行い治癒した.自宅のシャワーヘッドの培養でもSphingomonas paucimobilis を認め感染源と考えられ,カテーテル出口部ケア再指導に加え自宅シャワーヘッドの定期的清掃を指導した.現時点まで再燃・再発なく経過している.Sphingomonas paucimobilis において腹膜透析排液と環境中の培養結果が一致した症例報告は調べた範囲内で認めず本症例が初めてである.カテーテル出口部ケアにはカテーテル安定固定・洗浄水質に加え環境の衛生管理も重要であると考えら れた.