透析治療の生体適合性向上を目的に開発された電解水血液透析は,水電気分解により生成される電解水(微量の水素ガスを含有する)を用いる透析システムであり,心脳血管病や総死亡イベントの低減,透析関連疲労感の低下が報告されている.そこで,当該治療を受けている外来透析患者(国内19施設)の実態を検討した.調査期間は2018年末から2022年末の5年間で,調査対象例数は2,482名,観察期間29.0月の間,死亡例は303例,死亡率50.5(1,000人年)だった.死亡に対する独立危険因子として,年齢,脳卒中既往,栄養状態が確認された.死因の第一位は感染症20.6%,次いで心不全13.3%だった.以上の結果を踏まえ,本治療法の臨床的な有用性を明らかにするために,今後,通常透析との比較検討を行う必要があると考える.