日本透析医学会雑誌
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症例報告
リアルタイム持続皮下血糖モニターを用いた2型糖尿病合併血液透析患者2例へのチルゼパチドの効果
水野 章子
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2025 年 58 巻 6 号 p. 294-301

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抄録

【目的】リアルタイム持続皮下血糖モニター(rt‒CGM)中の2型糖尿病(T2D)合併血液透析(HD)患者へのチルゼパチド(Tir)の効果を検討した.【対象】T2D合併HD患者2例‒75歳男性(HD歴7か月,T2D歴33年,BMI 26.1 kg/m2),60歳男性(HD歴20か月,T2D歴5年,BMI 24.7 kg/m2)を対象とした.【方法】Tir開始前から4か月後までrt‒CGMの各指標と月1回の血糖値,グリコアルブミン(GA),血清アルブミン濃度(Alb)の経過をみた.【結果】Tir投与直後からTBR(time below range)が上昇することなくTIR(time in range)が増加し,GAが低下しインスリンも減量できた.観察期間中BMIは24 kg/m2以上を維持しAlbも不変であった.【結語】Tirは開始直後から効果が持続し4か月間の経過で明らかな栄養状態の悪化は認められなかった.

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