2025 年 58 巻 9 号 p. 436-440
78歳男性.X‒5年,肉眼的血尿で他院を受診し,非筋層浸潤性膀胱癌と診断.経尿道的膀胱腫瘍切除術とBCG膀胱内注入療法を施行.X年2月,筋層浸潤性膀胱癌へ進展し,術前化学療法後にロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘除術・両側尿管皮膚瘻造設術を施行.X年8月,多発リンパ節・肺転移を認め,化学療法目的に当院紹介.基礎疾患にIgA腎症による末期腎不全があり血液透析中.一次治療のゲムシタビン・カルボプラチン療法(GCarbo療法)は薬疹で中止,二次治療のペムブロリズマブ(pembrolizumab: Pem)は免疫関連有害事象と病勢進行で中止.X+1年3月より三次治療のエンホルツマブ・ベドチン(enfortumab vedotin: EV)を通常容量(1.25 mg/kg)で開始.有害事象なく継続できたが,5コース投与時点で病勢進行し中止.以降,緩和医療へ移行し,X+1年11月に死亡.