日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の非閉塞性腸間膜虚血周術期の特徴
三野 和宏津坂 翔一白川 智沙斗松井 博紀深作 慶友小丹枝 裕二今 裕史川村 秀樹
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2026 年 59 巻 4 号 p. 292-299

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抄録

非閉塞性腸間膜虚血(NOMI)は,腸間膜血管に器質的閉塞を認めないにもかかわらず,腸管虚血となる予後不良の疾患である.血液透析(HD)患者であることは,NOMI 発症のリスク因子かつ予後不良因子であることが報告されている.一方,NOMIを発症したHD患者が非HD患者と比較して周術期にどのような特徴を持つかは明らかではない.今回,当院でNOMIの診断で手術を行ったHD患者12例と非HD患者31例で比較検討した.NOMI発症から手術までの期間に差がないにもかかわらず,術後30日原病死はHD患者で有意に多かった.非HD患者と比較して,HD患者の死亡例は,① NOMI診断時の乳酸値,CK値の上昇がみられない,②障害腸管が短い,③パパベリン投与は予後改善に寄与する可能性がある,という特徴があがった.パパベリン投与を積極的に行い,さらなる症例を蓄積する必要があると考えられた.

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