人工透析研究会会誌
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継続看護のための記録
上村 るり子関 瑞子
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1983 年 16 巻 5 号 p. 317-320

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抄録
長期透析患者の増加に伴い合併症を有する患者や高齢者が増加し, 施設内外における看護の連携, 包括看護が重要となってきている. また施設間での患者の移動に伴い情報の伝達, 交換や看護レベルの維持, 向上をはかるために, より機能的な看護記録が必要と考えられる. 当院では機能的かつ円滑な情報の収集を目的とし昭和56年5月-57年5月まで以下に示す4種類の記録用紙を考案, 使用した. その結果について報告する.
1) 導入時1号用紙. 導入時に収集すべき情報を項目別に示したもの. 情報の伝達, 問題点の把握が容易となった.
2) データー整理表. 体重, 血圧, 各種検査データー, 投与薬, 注射, 看護援助などを長期的に連続して記録する. データーの変化, 異常の早期発見, 長期的経過および看護経過の把握に役立っている.
3) 年間サマリー. 1ヵ月ごとに主なデーターと患者の状態を要約し年単位でまとめたもの. 導入から現在にいたる経過の把握ができる.
4) 転院時看護添書. 転院時までの看護経過, 今後の継続必要事項その他について記録し転院先へ送る. その結果, 継続看護に必要な情報の伝達が円滑に行われるようになり看護活動の展開に効果的であった.
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© 社団法人 日本透析医学会
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