人工透析研究会会誌
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腎性副甲状腺機能亢進における副甲状腺シンチグラフィーの評価
平林 俊明竹中 義昭西庵 良彦藤田 洋子吾妻 眞幸井原 元岩崎 徹五味川 修三依藤 良一稲垣 王子森 頴太郎井上 聖士藤田 嘉一
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1985 年 18 巻 3 号 p. 253-258

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抄録

最近, 長期間におよぶ慢性透析患者が増加するにしたがって腎性骨異栄養症の合併も増加しつつある. 中でも続発性副甲状腺機能亢進症が特に問題になり, それらの症例に対して副甲状腺亜全摘 (PTX) が施行されている. 我々も40症例に対してPTXを施行してきたが, これらの40症例に副甲状腺シンチグラフィーを試みた. 対象症例の年齢は24-63歳, 透析歴は4年4ヵ月-13年7ヵ月, 性別は男性15人女性25人であった. シンチグラフイーは201TIと放射性Iを用いたcomputer-assisted subtraction法によるものである. その結果, まずPTX直前の40回のシンチグラフィーでは, 検出率は部位や組織型には影響されず腺重量に比例することがわかった. そして, それは500mg以上では68%, 500mg未満では35%であった. また, false positiveの原因の1つとして甲状腺乳頭癌が確認された. 第2に術前に2回撮影した4症例中3例で検出した副甲状腺の数の増加が確認された. すなわち, シンチグラフィーにて病状の悪化が確認できた. 第3に, 15症例に対し術後計16回のシンチグラフィーを施行したが, 術直後ではすべて陰性となっていた. しかし, PTXで2腺を取り残した1症例では1年後に骨関節痛の再発をきたし, シンチグラフィーにて残存腺の腫大を確認した. 以上の結果より, 腎性副甲状腺機能亢進症において, 副甲状腺シンチグラフィーは部位診断やPTXの適応の決定に有用なだけでなく術後の経過観察にも有用であると考えられた.

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© 社団法人 日本透析医学会
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