日本透析療法学会雑誌
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透析患者における血中ヒト心房性Na利尿ペプチド
安藤 亮一石田 雄二前川 清松田 治三宅 祥三吉山 直樹高橋 弘一川越 正孝
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キーワード: 血液透析, 血中hANP
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1988 年 21 巻 7 号 p. 607-612

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抄録
慢性腎不全にて透析中の患者におけるヒト心房性Na利尿ペプチド (hANP) の動態について検討した. 対象は血液透析患者19例, CAPD患者9例である. 血中hANPの測定は血漿よりの抽出操作を加えたRIAにて施行した. 血漿のゲル濾過にて, 血液透析患者およびCAPD患者にはα-hANP (1-28) に一致するピークのほかに, より小分子量領域にRIAで感知されるピークをみとめ, これは, α-hANPのフラグメントであると考えられた. 血中hANP濃度は血液透析患者271.8±173.4pg/ml (mean±SD), CAPD患者81.8±80.5pg/ml, 対照健常人 (10例) 31.5±19.8pg/mlと血液透析患者でのみ有意に高値を示した. 血液透析患者では, 透析後100.4±50.1pg/mlへと有意に低下し, その変化率はクレアチニンおよび体重の変化率と有意に相関した. 血液透析によるクリアランスは66.9±14.0ml/分と比較的高い透析性を示したが, ECUMにおいても血中hANPが有意に低下することより, 透析によるhANPの低下は, 体液量の減少による分泌低下, および透析によるhANPの除去の2つの機序が考えられた.
CAPD患者で血中hANPが上昇しなかった原因としては, この治療法が血液透析よりも体液量の管理にすぐれており, 分泌がより低く抑えられていること, およびhANPの除去効率がすぐれている (D/P比: 0.52±0.20) ことが考えられた.
以上より, 透析患者における血中hANPは1) RIAで感知されるフラグメントが認められること, 2) 体液量に依存すること, 3) 血液透析, CAPDいずれにおいても除去されることなど, 種々の要因により影響されていることが示された.
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