日本透析療法学会雑誌
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腎移植後感染症
I. 腎移植患者における感染症の特徴-透析療法患者との比較
梅谷 直樹阪 聡井上 慶一鎌田 貢寿大久保 充人
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1988 年 21 巻 7 号 p. 647-652

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抄録
1978年9月より7年間に北里大学病院にて施行された腎移植125例の感染症について調査を行った. 腎移植患者の免疫抑制療法はアザチオプリン (AZ), ミゾリビン (MZR), プレドニゾロン (PSL), あるいはシクロスポリン (CYA), MZR, PSLが用いられた. 対照に, 性, 年齢, 透析期間が同一な, 血液透析療法中の腎不全患者が選ばれた. 患者の原疾患が慢性腎盂腎炎, 糖尿病性腎症, のう胞腎である場合は対照から除外された. 調査期間は, 腎移植日より, 透析療法にもどった日までとした.
以上の条件で完全な調査が行えた84例は, AZ, MZR, PSL群45例, CYA, MZR, PSL群39例であった. 腎移植患者84名に90回の感染症が発症し, 年平均感染回数は0.39回/12ヵ月と透析患者に比し約4倍の高頻度であった. 腎移植患者の感染症発症率は, 透析患者に比し, 移植後1年まで有意な高値を示した. 腎移植患者の感染症は, 尿路感染症54.4%, ウイルス感染症18.9%, 呼吸器感染症12.3%, 膿瘍4.4%などであった. これに比し, 透析患者では, シャント感染症37.5%, ウイルス感染症20.8%, 尿路感染症16.7%, 膿瘍16.7%と異なっていた. 腎移植患者の尿路感染症は, 腎移植後3ヵ月以内に多発し, 日和見感染症は3ヵ月以降に発症するものが多かった. CYA投与群にサイトメガロウイルス感染症が, AZ投与群にクリプトコッカス症, ノカルディア症, アスペルギウス症が発症した. 腎移植患者の死亡例は3例で, 感染症2例, 消化管出血1例であった. 透析患者の死亡は2例で, いずれも心不全であった.
腎移植患者では, 透析患者に比し感染症発症率が高く, 重篤な感染症がみられた. 腎移植後感染症の発症予防, 充分な治療は, 移植腎生着, 患者の生命予後をさらに改善させると考えられる.
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© 社団法人 日本透析医学会
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