日本透析療法学会雑誌
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慢性血液透析患者の抗HTLV-III抗体および抗ATLA抗体の検索 輸血成分による保有率の差異
人見 祐子山門 実大戸 斉遠山 博多川 斉西尾 恭介
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1988 年 21 巻 7 号 p. 653-658

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抄録
HIV (HTLV-III/LAV), HTLV-Iはそれぞれ輸血によって伝播する可能性のあるウイルスで, これらの感染は後天性免疫不全症候群 (AIDS), 成人T細胞白血病 (ATL) の発症と関係がある.
血液透析患者は輸血の機会が多く, これらの感染のハイリスク・グループと考えられるため, 249例の東京・埼玉地区の血液透析患者について抗HTLV-III抗体・抗ATLA抗体を前者は酵素免疫測定法 (EIA法, Abbott), 後者はゼラチン粒子凝集法 (PA法, 富士レビオ) でスクリーニングし, 陽性検体はWestern-blot法で確認した.
抗HTLV-III抗体陽性者は認められなかった. 抗ATLA抗体陽性率は5.6% (14/249) で, 東京・埼玉地区の健康供血者の陽性率0.77%に比較して有意に高率であった (p<0.01). 抗ATLA抗体の陽性率は, 輸血歴の明らかでない群, 主に白血球除去赤血球・洗浄赤血球を輸血した群, 主に濃厚赤血球を輸血した群にわけると, それぞれ2.7% (2/73), 2.0% (2/99), 13.0% (10/77) となり, 濃厚赤血球による感染が強く疑われた. 白血球除去赤血球・洗浄赤血球は, 白血球除去フィルター・洗浄によってリンパ球混入が少なく, 血漿成分も少なく調整されている. したがって, 輸血を受ける機会が多い血液透析患者に輸血する際には, HTLV-I感染予防と同時に未知のウイルスの感染予防という点も考慮して, 白血球除去赤血球・洗浄赤血球を使用することが望ましい.
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© 社団法人 日本透析医学会
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