日本透析療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-6211
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Continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) 療法におけるPseudomonas aeruginosa感染症に関する研究
渡辺 修一加地 正伸中山 昌明若林 良則山本 裕康横山 啓太郎〓村 さゆみ木村 靖夫川口 良人宮原 正
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1989 年 22 巻 12 号 p. 1351-1356

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抄録

CAPD療法における難治性感染症の一つであるPseudomonas aeruginsa (P. aerug) 感染について検討した. 1980年1月より88年5月までに, 当科及び関連施設でCAPDに導入した120例 (男95, 女25) を対象とした. 成績は, P. aerug感染の内, 腹膜炎は全腹膜炎発症回数119回の内3回 (2.5%), トンネル感染, 出口感染はそれぞれ42回の内8回 (19.0%) 66回の内6回 (9.1%) であった。P. aerugを起炎菌とする腹膜炎は3回発生し, 全例でカテーテル抜去を要した。同菌によるトンネル感染は8回発生しており, その内2回のカテーテル抜去, 3回でunroofingを要した. 以上より, P. aerug感染は極めて難治性であり, 本菌によるトンネル感染に対してunroofingが有効であることが明らかとなった.

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