日本透析療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-6211
Print ISSN : 0911-5889
ISSN-L : 0911-5889
LDL-apheresisのリポ蛋白除去に対するリポ蛋白脂質構成の影響
IIa型およびV型高リポ蛋白血症に対する検討
伊藤 博夫石井 寿美街 稔武田 佳代子中村 一路長瀬 光昌川村 光信内藤 周幸
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 22 巻 3 号 p. 337-342

詳細
抄録
Dextran-sulfate cellulose (DSC) のリポ蛋白吸着に対するリポ蛋白脂質構成の影響をin vivoでみるために, cholesterol (Chol)-richリポ蛋白の増加しているIIa型FHホモ接合体, IIa型FHヘテロ接合体患者およびtriglyceride (TG)-rlchリポ蛋白の増加しているV型高リポ蛋白血症患者に対して, DSCを用いたLDL-apheresisを施行して検討した.
IIa型およびV型高リポ蛋白血症のいずれにおいても, Chol, TG, phospholipid (PL) の除去率は低比重リポ蛋白 (LDL) において最も高く, 粒子サイズの大きなリボ蛋白ほど除去率は低かったが, 高比重リポ蛋白 (HDL) はほとんど除去されなかった. アポリポ蛋白 (apo) ではapo Bとapo Eの除去率が高く, Apo A-I, A-IIはほとんど減少しなかった. また, 膜型血漿分離器による血漿分離能は, IIa型に比べてV型では著しく不良であり, 主として粒子の大きなリポ蛋白が増加している高リポ蛋白血症では, 膜型血漿分離器よりはむしろ遠心器による血漿分離が好ましいと思われた.
一方, DSCを用いたLDL-apheresisにより, FH患者では黄色腫, アキレス腱厚の退縮や負荷心電図所見の改善がみられ, V型高リポ蛋白血症患者ではカイロマイクロン血症症候群による腹痛発作の消失が認められた.
以上の成績より, DSCへのリポ蛋白吸着は脂質構成にはほとんど影響されないことが示唆され, DSCを用いたLDL-apheresisはIIa型のみならず, IV型やV型の高リポ蛋白血症にも有効である可能性が示唆された.
著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事
feedback
Top