日本透析療法学会雑誌
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慢性腎不全による続発性上皮小体機能亢進症13例の検討
江原 英俊山本 修美小林 克寿小口 健一出口 隆北島 和一細田 洋一郎椎名 栄一宮村 隆三白井 哲夫大野 丞二
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1990 年 23 巻 7 号 p. 723-727

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抄録
慢性腎不全による続発性上皮小体機能亢進症13例に対して, 上皮小体全摘術と自家移植術を施行した. 113例は維持血液透析患者10例, CAPD患者3例で, 平均年齢は50.2歳, 平均透析期間は101.8か月であった. 原疾患は慢性糸球体腎炎11例, 多発性嚢胞腎1例, 糖尿病性腎症1例であった. 自覚症状としては骨関節痛を8例に, 掻痒感を5例に認めた. 骨X線検査では全例に上皮小体機能亢進症による骨変化を認めた. 術前に骨型isozyme優位の高ALP血症を12例に, 高C-PTH血症を全例に認めた. 術前に全例に施行した画像診断の部位診断率は頸部CTは48.1%, 超音波検査は61.5%, 201Tl99mTc subtraction scintigramは50%であった. 手術術式は, 上皮小体全摘術および前腕筋膜下へ, 摘出した上皮小体の約30mgを5-6個の細片にして移植した. 全例supernumerary glandsを考慮して両側胸腺舌区の摘除および気管ならびに甲状腺周囲の脂肪織摘除, リンパ節郭清を施行した. 4腺摘出が9例, 5腺摘出が3例, 7腺摘出が1例であった. 測定した12例における摘出総重量は, 平均2,082.5mgであった. 上皮小体の摘出総重量と術前のC-PTH, 血清ALP値との間にそれぞれ相関係数0.807, 0.769の正の相関を認めた. 上皮小体の組織型では, diffuse typeは23腺で平均重量156mgに対し, nodular typeは26腺で平均重量768mgと有意に重かった. 術後自覚症状の改善を10例に認めたが, 3例では不十分であった. 画像診断による術前に腫大した上皮小体の確認と, 術中の迅速標本による確認ならびに胸腺摘除と周囲組織の郭清により, 上皮小体の取り残しを防げた.
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